2009年8月2日[日]-8月6日[木] 10:00-16:00

場所 旧落石無線送信所跡 

阿部大介/ 木村瞳/ 貞包将彦/ 瀬川麻衣子/ 鷹野健/ 田中元偉/中川杏美/成田亜衣子/ 中山優/ 日比野絵美/ 藤永覚耶 / 本村祥子

アクセス

 

 「Scattered Seeds 残響」展は、かつて無線局として外に開かれていた旧落石無線送信所において行われる2008年〜10 年の3期にわたるアートプロジェクト「落石計画」の第二期にあたる展覧会です。第一期に関わり、旧落石無線送信所の場所を体感したそれぞれの作家が、1年という時間を経て再び訪れ、同じ場所に寄り添うかたちで作品を展開します。

 北海道の最東端に近い落石岬は、天然記念物のサカイツツジが群生する湿原であり、先端の崖の先には海が広がっています。旧落石無線局がひっそりと佇むその場所は、日常的に発生する濃霧に包まれると辺りは人影も見えなくなるほど白く静かな世界になり、その時、海を行き交う船に岬の位置を知らせるための「霧笛」が鳴り響きます。低く長い唸り。聴き慣れないその響きは、見慣れない景色とともに私たちの心に強く残りました。その霧笛は、近い将来廃止される事になっています。展覧会タイトルの「残響」とは、落石岬と私たちの心に残っていく霧笛の響きであり、旧落石無線送信所がもつ歴史の痕跡です。「無線」「霧笛」ー形なき2つの信号が生きていた場との共鳴を目指し、それぞれの作家の作品に加え、ワークショップで現地の子どもたちと制作し作品を展示します。